審査を加速する出願戦略がありますか?
特許審査を加速する方法はいくつがあります。そのうちに、特許早期審査の運用方案(Accelerated Examination Program、AEP)を使うことがお薦めします。推薦案は以下の通りです。
1. 出願しますが、審査請求をせず、
2. 対応するEP出願のサーチレポート又は対応する米国若しくは日本出願のオフィスアクションを受けましたら、直ちに出願審査を請求し、
3. AEPを請求します。
2016年4月1日にTIPOに公布されたAEPについての法改正によると、台湾における特許出願(本願)が下記四つの事由のいずれかに該当する場合、出願人はAEPを請求することができます。
1. 対応する国外出願がある場合、対応出願と本願との間に優先権主張の有無にかかわらず、本願が存在しており、かつ、国外の対応出願が実体審査を経て特許登録されること。
2. 対応するEP、日本又は米国出願のサーチレポート又はオフィスアクションを受けること。
3. 本願は商業的な実施に必要とされるものであること。
4. 本願はグリーンエネルギー技術に関するものであること。
WIPOの国際調査機関としてEPO、JPO又はUSPTOが発行するサーチレポートは事由2に該当します。
事由4に規定されたグリーンエネルギー技術はWIPOが定義した代替エネルギー技術分野や、公式の計画若しくはプロジェクトと称すグリーン産業を含みます。例えば、省エネルギーの改善、新エネルギー若しくは再生可能エネルギー車両に関わる技術や、LED照明、太陽エネルギー及び燃料電池のような炭素還元又は省資源に関わる技術などです。
事由3か4によりAEPを請求する場合、4000元(13000円くらい)の法定手数料が必要です。
したがって、対応する外国出願が実体審査を経て特許登録可能とされる場合や、対応する外国出願についてEPOからサーチレポート、又は米国若しくは日本からオフィスアクションを受ける場合、出願人はAEPを請求することができます。完全な出願戦略は下記の通りです。
1. 台湾において出願しますが、審査請求をせず、
2. 対応する国外出願が特許登録可能とされたら、あるいはEPOからサーチレポート又は米国若しくは日本からオフィスアクションを受けたら、直ちに出願審査を請求し、
3. AEPを請求します。
実体審査又はAEPを申請する時、台湾出願のクレームを補正することが検討できます。経験上、AEPを申請すると、6ヶ月以内にTIPOから最初の審査意見を受けることが予想されます。
他の審査加速戦略は特許審査ハイウェイ(Patent Prosecution Highway、PPH)、台湾の特許審査ハイウェイ利用サポート(Taiwan-Support using PPH Agreement、TW-SUPA)及び優先審査(Prioritized Exam)を含みます。
2016年4月27日時点では、TIPOは、USPTO(米国)、JPO(日本)、SPTO(スペイン)及びKIPO(韓国)との間でPPHが利用できます。
TW-SUPAは逆方向の仕組みであり、それにおいて、TIPOが特許出願の第一庁(Office of First Filing、OFF)です。後に第二庁(Office of Second Filing、OSF)に出願される対応出願に対して、出願人はTW-SUPAにより進んだ審査を請求することができます。要するに、台湾出願の優先権を主張するUS・JP・ES・KR出願があり、かつ、その台湾出願の実体審査中に、最初のオフィスアクションを受けていない場合、出願者は台湾出願に対してTW-SUPAを請求することができます。
優先審査について、特許出願人でない者が商業的に特許出願に係る発明を実施している場合、TIPOは請求によりその特許出願を優先的に審査することができます。
(Image source: Theen Moy|CC BY-NC-SA 2.0)