Q1:著作権の保護には登録が必要ですか?
台湾は著作権保護に関して「創作保護主義」を採用しています。著作権法は著作権保護要件として著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生し,その取得のためになんら手続を必要とせず、直ちに著作権法の保護をうけることができます。
しかしながら、登録制度がないために、仮に著作権上の争いが生じた場合、著作権者は自分が著作権者であること、著作物の完成時期、模倣ではなく独立創作性等を立証しなければなりません。そのため著作権者はまず創作記録と過程を保存しておくことが好ましいです。例えば構想時の草案、スケッチ、第三者との会議若しくは討論の記録等、そして各ステップの創作日時の記録、そしてバックアップを取っておくのが好ましいです。
著作権者は下記記述証拠保存の方法を利用することができます。また将来紛争が発生した際にも証拠として使用することができます。
1. 裁判所公証人若しくは民間の公証人に著作の文章の認証をしてもらう ー
著作者は自己の著作を法院公証又は民間公証人で著作の認証をしてもらう。
2. 特定の組織若しくは民間機関に供託 ― 著作者は著作を特定の組織または民間機関に送付し、当該組織または民間機関は通常著作権登記書をもって証明する。
3. 自分若しくは第三者に内容証明を郵送する ー 著作者は内容証明を一枚郵便局に保管する、内容証明の方法をもって自己若しくは第三者(親戚、親友)に著作を内容証明として郵便局に保管する
しかしながら、これらの方法は正当な当事者を決定することは可能ですが、これはある人の著作がある特定の時間に、著作があったことの証明又は著作の保存できるだけであり、この著作の本当の著作者が誰であったかの証明には法院の認定が必要です。
Q2:著作権の保護要件はなんですか?
著作権法は著作者の著作物の権利を保護し、文字、科学芸術若しくはその他の学術の範囲に属する創作物をいうと規定しており、実用物品の技術創作は著作権法の保護を受けるこはできません、しかし特許法の保護を受けることは可能です。
著作には人類の精神文明の知識成果が必要であり、人類の精神力を注ぎ込むことによって完成する作品は保護されるべきものである。
実務上、法院の「著作」判断時に、通常「表現創作性」の有無、「表現性」「創作性」の有無を判断する。著作が著作権法の保護を受けるには以下の要件が必要になる1.独自完成、他人の著作を模倣していないこと(創作性)2.個人的な思想精神感情の個性若しくは独創性(表現性)。表現性には過去から現在まで一度もその表現がないことは必要としない、しかしこの著作と過去に存在した著作の区別変化が必要であり、表現個性又は独創性あれば足りる。なぜなら表現性は通常、主観判断と関係があればよく、比較的表現性が高いか低いかの問題であるからである。
Q3:台湾著作権法保護の著作にいはどのような種類がありますか?
台湾の著作権法の「著作」は文学、科学芸術若しくはその他の学術の範囲に属する創作物をいう。
その他特別注意しなければならないのは、著作権第9条規定の著作権の保護を受けることができない著作、例えば第9条にはこのように規定されている
- 憲法、法律命令若しくは公文書。
- 中央或いは地方官庁が前例の著作物について作成した翻訳物或いは編集物。
- 標語及び通用の記号、名詞、公式、図表、記入用紙、帳簿或いはカレンダー。
- 単純な事実を伝えるだけの新聞報道からなる言語著作物。
- 法律に基づく各試験問題及びその予備問題
Q4著作権の保護期間はいつまでですか?
著作権は著作財産権と著作人格権に分けられ、両者の保護期間は違います。著作財産権の保護期間は著作権者が自然人若しくは法人、によっても違います。
但し撮影、視聴、録音と表演著作は著作者が法人若しくは自然人に関わらず、保護期間は自己公開公表後50年、未公開の著作は完成後50年です。
著作人格権は著作者の死亡若しくは消滅によっても停止することはなく存続する。著作人格権の存続は著作権保護期間の満了の影響を受けず、著作権者の死亡または消滅の影響を受けない。
Q5:台湾著作権法は著作権の所有権に関してどのように規定していますか?
まず初めに、台湾著作権法には「著作者」と「著作権利者」の2種類の概念があります。著作者は「著作創作人」を意味し、著作権者は著作財産権と著作人格権があります。
著作権の帰属に関して、台湾著作権法は三種類の体系に分けられます。共同著作、雇用関係下での著作権の帰属、出資関係下での著作権帰属です。
1. 共同著作: 二人以上で共同完成、個人の著作と分離不可能、著作物作成時に共同して一つの著作権になる。
2. 雇用関係:「職務著作」と「非職務著作」に区別される。実務上職務発明に該当するか否かは職務の性質、職務時間及び場所から判断され必ずしも関係があるわけではありません。
3. 出資して他人を招聘した場合:
Q6:著作に関して台湾で著作権法保護を受けた場合、著作物上に著作人、日時、©の表示をしなければなりませんか?
台湾著作権法第13条には著作物の原作品若しくは既に発行された複製物において、又は著作物を公表するときに、著作者の本名若しくは周知の別名が通常の方法により表示されている者はその著作物の著作者と推定する。
前項の規定は、著作物発行の日付、場所及び著作財産権者を推定する場合においてもこれを準用する。
台湾著作権法は著作者の表示に関して強制規定ではなく、著作財産権者、発行日または場所;もし著作者の名前を表示をする場合、著作財産権者、発行日、場所、について法律上著作権者の推定を得ることができる。推定を覆すためには他方は証拠を提供する必要があります。
法律上著作者の表示方法は強制規定ではないが、実務上通常の方法により表示第三者が著作者若しくは著作財産権者と知りえるに足りるときは、Ⓒマークは必ずしも必要ではありません。
Q7:台湾の著作権法は外国人の著作に対しても保護が及びますか?
原則上著作権法は「属地主義」を採用しています。各国国内の自国民の著作の保護されます。しかし国際上の条約「相互原則」及び「国民待遇原則」により、外国人の著作も自国民の著作と同様保護されます。
台湾著作権法は外国人の著作の保護に関し「条約上保護すべき著作物の原則」「相互主義」を採用しており、外国人の著作に対して台湾国内で最初に発行若しくは外国人の著作が台湾以外の場所で最初の発行後30日以内に台湾で発行された場合、さらに技外国人所属の国家が台湾国民の著作に対して同様の保護がされているときは、その著作は直ちに台湾著作権の保護を受けることができます。これを「条約上保護すべき著作物の原則」といいます。
「相互主義」とは外国と台湾との条約を指し、協定若しくは法令、慣例に基づき台湾国民の著作が当該国で著作権の保護を受けることができるとき、当該国民の著作は台湾で著作権の保護を受けることです。注意すべき点は「相互主義」に該当し、外国人は台湾で発行する必要がなく、法律の保護を受けることができます。
台湾は2002年1月1日に世貿易機構(WTO)に加盟後、TRIPSの規定を遵守しなければなりません。TRIPSの加盟各国へほかの加盟国の国民の著作の保護要求、それに加えて台湾は「相互主義」による保護をWTO加盟国の国民にも与えています。中国、香港及びマカオ等の人民に対しては「台湾地区と中国大陸地区の人民関係条例」及び「香港マカオ関係条例」に規定に基づき、別途台湾の著作権は保護されます。
Q8: もし小説の一部分のアイデアがいいと思った場合、同様のアイデアを自己の小説作品に使用することはできますか?
著作権法第10条1項規定、この法律による著作権の保護は当該著作物の表現にとどまり、それによって表現しようとする思想、手続き、製造過程、システム操作方法、概念、原理、発見には及ばない。
すなわち,著作権の保護は「表現したもの」である。同一概念に対して、誰でもこのアイデアに基づき創作することができる。その上、創作でできた著作は「独創性」が必要であり、ともに著作権法による保護を受けることができる。その上、作品に独創性があれば、たとえ他人と同様の概念若しくはアイデアの利用であっても、当該作品は著作権法の保護を受けることができる。
Q9:並行輸入された正規版のDVD若しくは本を販売することはできますか?
現時点では台湾著作権法は並行輸入を禁止する立法政策をとっています。たとえ正規版のDVD若しくは書籍であっても著作財産権者の同意を得ないで、原作品の並行輸入若しくは複製物のコピーは著作権法違反の行為であり、民事責任が発生します。仮に販売、贈与等の所有権の移転の方法を用いて大衆に散布、若しくは貸与する行為は散布権と貸与権の侵害行為になり民事刑事責任を負います。
しかし、著作権法の例外規定により、仮に一個を個人使用のために輸入若しくは入境する際に荷物の一部分として持ち込むこれらの行為は並行輸入の例外の状況になります。仮に前記記載の例外の合法並行輸入の状況があった場合でも、所有権の身分をもってDVD若しくは本の販売した場合は著作権の侵害となります。
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