台湾は環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Partnership、TPP)に加盟しますか?
台湾政府はTPPに加盟することを検討しており、専利法(特許、実用新案及び意匠を含む法律)を改正しようとしています。そのため、台湾知的財産局(Taiwan Intellectual Property Office、TIPO)は特許法改正案について2016年4月13日に有識者会議を開催しました。主な改正ポイントは下記の通りです。
A. 新規性喪失の例外について
1. 特許又は実用新案の新規性喪失の例外における猶予期間は12ヶ月に延長しますが、意匠の猶予期間は6ヶ月として変更しません。
2. 現在の専利法第22条第3項に列挙した事由に限らず、米国特許法第102条(b)(1)(A)のように、特許・実用新案登録・意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因する全ての開示も新規性喪失の例外に該当することとします。
3. ただし、上記新規性喪失の例外はいずれの国における特許・実用新案・意匠の公開公報又は登録公報を含みません。
4. 2016年4月13日に公開された上記有識者会議の議事録によれば、新規性喪失の例外規定の適用を受けようとする旨を記載した書面を出願と同時に提出する制限は除外される可能性があることが示唆されています。
B. 審査の遅延による存続期間延長(Patent Term Adjustment、PTA) について
1. 特許権者は特許権についてPTAを請求することができますが、実用新案権者又は意匠権者は実用新案権又は意匠権について請求できません。
2. (a)出願日から特許登録まで5年以上かかる場合、又は(b)審査請求から特許登録まで3年以上かかる場合には、PTAを請求することができます。なお、PTAを請求しようとする特許権者は特許登録から3ヶ月以内にその請求を提出しなければなりません。さもなければ、PTAの請求権を失います。
3. PTAにより延長できる期間は5年を限度としています。
4. TIPOによりPTAの計算方式を以下に示します。TIPO・政府機関による遅延には再審査(二回目の審査)を含みますが、訴願及び訴訟にかかる期間を含みませんので、訴願や訴訟期間は控除されます。
5.承認されたPTAが不適法と考える者は、何人も、PTAの再計算を請求することができます。